シンデレラに玻璃の星冠をⅡ



「斬らせて…あれが本物の玲様だったら、どうするんですか!!!? 取り返しがつかないんですよ!!!?」


彼女の突拍子のなさは慣れたつもりだったけれど。


「信じたくないのは判ります。しかし此処からでは、あれが偽者だ、幻覚だとという断言もできません!!!」


間近で触れて確かめもしていないのに、真偽の判定は出来ない。


「本物だったら、玲様の命がないんですよ!!!」


「あれは違うの!!!」


芹霞さんが断言する。


「あれは玲くんじゃない」


「根拠は!!?」



私は偃月刀を必死で避けながら訊いた。




「ないッッ!!!」



私は、泣きたくなってきた。




「無理です、駄目ですッッ!!!

まずはよく確認しないと」


「それは駄目ッッ!!! 桜ちゃん、あれに近寄っちゃダメ!!!」


芹霞さんが反対する。


「根拠は!!?」




「ないッッッ!!!」




「ではやはり無理ですッッ!!! 闇雲に玲様を斬らせるわけにはいきません。ゲームのように、間違って死んでもリセットボタン押せば、即生き返るというわけにはいかないんですよ!!!?」


「信じてよ、桜ちゃん。あれは玲くんじゃないんだって!!!」


「無理です。確認する方が先です」


「だから、それをしちゃ駄目!!! アレに触れちゃ駄目ッッ!!!」


「だから根拠…」




「ないッッッ!!!」