「斬らせて…あれが本物の玲様だったら、どうするんですか!!!? 取り返しがつかないんですよ!!!?」
彼女の突拍子のなさは慣れたつもりだったけれど。
「信じたくないのは判ります。しかし此処からでは、あれが偽者だ、幻覚だとという断言もできません!!!」
間近で触れて確かめもしていないのに、真偽の判定は出来ない。
「本物だったら、玲様の命がないんですよ!!!」
「あれは違うの!!!」
芹霞さんが断言する。
「あれは玲くんじゃない」
「根拠は!!?」
私は偃月刀を必死で避けながら訊いた。
「ないッッ!!!」
私は、泣きたくなってきた。
「無理です、駄目ですッッ!!!
まずはよく確認しないと」
「それは駄目ッッ!!! 桜ちゃん、あれに近寄っちゃダメ!!!」
芹霞さんが反対する。
「根拠は!!?」
「ないッッッ!!!」
「ではやはり無理ですッッ!!! 闇雲に玲様を斬らせるわけにはいきません。ゲームのように、間違って死んでもリセットボタン押せば、即生き返るというわけにはいかないんですよ!!!?」
「信じてよ、桜ちゃん。あれは玲くんじゃないんだって!!!」
「無理です。確認する方が先です」
「だから、それをしちゃ駄目!!! アレに触れちゃ駄目ッッ!!!」
「だから根拠…」
「ないッッッ!!!」

