シンデレラに玻璃の星冠をⅡ

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「玲様が、この中に居る!!!?」


私は思わず声を張り上げた。


「ありえない、蝶が見える玲様なら…ご自分で何とかされている。ただの普通人ではないッッ!!!」



私は芹霞さんを抱えたまま、天井のミラーボールに捕まりながら言った。


「だけど、だけど!!! 玲くん消えちゃったんだもの。もうこの会場しか、考えられる場所はないんだよ、桜ちゃんッッッ!!!」


芹霞さんは…玲様と共の行動をしていたらしい。


炎の一部が私達を目がけて大きくなる。


私は咄嗟に結界を張った。


どこまであの威力に持つかは判らないけれど、私は今、芹霞さんの話を聞かねばならないと思った。


この場所から逃れる前に。


「あたしのニセモノと玲くんどっか行っちゃったみたいなのッッ!!! 覚束ない足取りだったというからもしかして玲くん…何かされてたのかも知れない。

それより感じるの。玲くんは…此処に居る!!!」


下には業火に包まれた屍の山。


大画面の裏には誰もいなかった。


では…玲様は何処にいる!!?


「居るの、玲くん此処に居るんだよ!!!

煌、煌!!! 炎を消して、早くッッ!!!」



炎の何処に煌がいるのかよく判らない。


「ああ、この音楽が煩いッッッ!!!

こうなりゃ直接…」


そして芹霞さんは、炎の海を覗き込んで。


「あたし、直接煌を説得してみる!!!」


「馬鹿な!!! 芹霞さんを殺そうとした奴にッッ!!!」


「あたしは、煌を信じてるの!!!


あたしの煌は――

絶対あたしを殺さないッッ!!!


いつもあたしを守ってくれたもの。


あたしが信じないでどうするのよッッ!!!」



そして芹霞さんは――

自らの意志で私の腕を外して、炎の中に飛び込んだんだ。