シンデレラに玻璃の星冠をⅡ



煌はステージ上で腕組みをして立っていた。

まるで黄衣の王のような威厳に満ちた面差しで。


私が見えない"黄色い蝶"を…操っているのは、やはり煌なのか!!?

煌が背にしているのは大画面。


曲に合わせてランダムに揺れるカオスの波。


そして乱れ飛ぶ"ドラゴンヘッド"


見ていて気分が悪くなってくる。



そんな時だったんだ。


『王の襤褸(ぼろ)がはためくところで

ヒュアデスのうたう歌が

聞かれることもなく消え入るのは

朧ろなカルコサの地』


あの…妙な節をつけた、女達の合唱。



バリーーーン。


天井が割れる音。



落ちてくる。


落ちてくる。



やはり――


白い女達が。



床に打ち付けられて飛び散る血飛沫。

細やかな肉片。


床に重なるそれは、ただの血肉の塊で。


その衝撃に床には皹が入った。


それが益々この地獄図に色を添え、悲鳴と絶叫は狂ったように続いていて。