シンデレラに玻璃の星冠をⅡ



「人工知能みたいだ。

"機械"も対戦相手となりえるのか?」


そう。


"学習"して"成長"する"機械"など――

まるで人工知能じゃないか。


「機械!!? この大会は全て"人間"が相手だぞ!!?」


「だがお前の相手は、お前の動きを読んで先回りし始めている。ゲームの技巧がどうのの問題ではなく、お前のパターンに慣れ、何より闘い自体…"闘い慣れ"した動きに変わっている」


確かに。


玲もどきの動きは、当初に比べて格段によくなり…そして洗練されていくその動きがまた、益々玲の動きを彷彿とさせる。


「だけど、パンチとキックで…奥義なんて全然出さないし」


カタカタ、カタカタ。



「相手は、奥義をわざと出していないんじゃないか?

単調の動きをなめるな、由香。

お前はそんな相手に、勝てずにいるんだ」



カタカタ、カタカタ。


「優勝…優勝したいよ~ッッッ!!」




左側が遠坂のゲージ。


右側が"ZERO"のゲージ。



ふと――

おかしなことに気づく。



同じ動きを繰り返していないか?


遠坂はリズムが狂わされたと嘆いていたが、逆に…同じリズムで回っている気がする。


遠坂と"ZERO"の、パンチとキックによる攻撃パターンが、一定周期で成されている気がするんだ。


例えば、遠坂が連続5回のパンチ技を繰り出せば、"ZERO"は2回のパンチの後、1回蹴り上げ…というように。


それが組み合わさって、何度も同じ攻撃パターンがなされている気がする。


遠坂は気づいていないのか?



偶然?



"単調な動き"


久遠は、そのこと言っているのか?