そうしている間に、遠坂の連勝は続く。
画面を見ていればほぼ瞬殺だ。
キーボードを打つ攻撃が、どうしてゲームで此処まで素早い強さになるのか原理が判らない。
玲は…遠坂以上なのか。
いつ大会なんかに参加して、優勝していたんだろう。
「ようし、13連勝!!! いけいけ、優勝!!!」
「「いけいけ、優勝!!!」」
チビッコ3人組は、意気投合しているようだ。
いつの間にやらもう本選。
"軍神"ゆんゆんは、その単純…いや、愛らしい顔をしているのに、かなり強い魔女っ娘らしい。
「………」
久遠も机に両肘をついて画面を見ている。
何だかその顔も、心なしか紅潮しているようで。
興味なんて…覚えるのか、この男にも。
格闘ゲームに…好奇心湧くのか?
それとも初めて見るから、興奮しているのか?
なんだかそういう顔をする久遠が意外で、可笑しかった。
いつもそんな素直な反応をしていれば、印象もマシになるものを。
いや、素直といえば、嫌悪感だけに素直なんだろうが…もっと純真さがあれば――…
「何」
不愉快そうに細められた紅紫色の瞳が俺に向く。
「何休んでるんだよ。そんなにあのロリが好みなら、お前、せりやめたら?」
絶対。何があろうと、俺は絶対こいつに好意など持たない。
「だからその布寄越せ」
まだ言うか!!!

