――玲くん…あのね。
その中で切り出された芹霞の言葉に。
――……嫌だ。
僕は頭を横に振った。
――今日はどうもありがとう。
"お試し"である今日を終わらせようとする芹霞。
どんな謝罪も擦抜けてしまう。
どんな言い訳も届かない。
ずきん。
ずきん。
――言わないで。聞きたくない。
涙が…止まらない。
自業自得。
芹霞の手の中には…僕が貰えたはずのバングル。
月長石が見えた時、心が壊れそうなほど締め付けられた。
僕に…買ってくれたのに。
僕はそれを…拒んだんだ。
"そんなもの"だと"馬鹿にするな"と、
叩き付けて…芹霞の目の前で壊したんだ。
そして僕は…芹霞の心まで壊してしまったんだ。
僕自身の手で…僕の恋は終わらせてしまったの?
嫌だ。
嫌だ。
嫌だ。
――芹霞…まだ終わってない、終わってないんだ!!! まだ結論づけないで。まだ僕を傍に置いてよ…
届かない。
――僕の恋を、壊さないでくれッッ!!
届かない。

