シンデレラに玻璃の星冠をⅡ


――玲くん…あのね。


その中で切り出された芹霞の言葉に。



――……嫌だ。


僕は頭を横に振った。



――今日はどうもありがとう。



"お試し"である今日を終わらせようとする芹霞。


どんな謝罪も擦抜けてしまう。

どんな言い訳も届かない。



ずきん。


ずきん。



――言わないで。聞きたくない。


涙が…止まらない。



自業自得。


芹霞の手の中には…僕が貰えたはずのバングル。


月長石が見えた時、心が壊れそうなほど締め付けられた。


僕に…買ってくれたのに。

僕はそれを…拒んだんだ。


"そんなもの"だと"馬鹿にするな"と、

叩き付けて…芹霞の目の前で壊したんだ。


そして僕は…芹霞の心まで壊してしまったんだ。


僕自身の手で…僕の恋は終わらせてしまったの?



嫌だ。

嫌だ。

嫌だ。


――芹霞…まだ終わってない、終わってないんだ!!! まだ結論づけないで。まだ僕を傍に置いてよ…


届かない。


――僕の恋を、壊さないでくれッッ!!


届かない。