シンデレラに玻璃の星冠をⅡ


「何か…玲くんとは、

棲む世界が違うんだね」




その言葉で、僕は正気に返る。


目の前の芹霞は――泣いていて。


その表情には…僕を意識してくれていたあの色はなくて。


深い哀しみに暮れた顔。


そして…何かを覚悟した顔。


僕は悟ったんだ。


ただ芹霞を手に入れたかっただけなのに、

芹霞を突き放すことをしてしまったんだと。


それだけならまだいい。


芹霞の表情は…何を示すのか。


線引きをされた…?


それはつまり――


心臓が、嫌な音をたてた。



オタメシハオワリダ。


何処かで何かが嗤った。



駄目だ。

嫌だ。


僕を見限らないで、芹霞。


店から出て行ってしまった芹霞。


僕は慌てて追いかけたんだ。



だけどいない。


芹霞がいない。



「くそっ!!!」


僕が破滅する…カウントダウンが聞こえた気がした。


芹霞との仲が…完全に終焉してしまうような予感。


勝手に…芹霞からの恋心を消した僕は。

その代償に…芹霞への愛を失うのか。


これが僕の贖罪だというのか。


僕は、芹霞の運命の相手にはなりえないのか。