急転直下。
それまで色付いていた僕の視界が、黒い色に歪んでくる。
どす黒い、僕の嫉妬の色に。
苦しい。
心が嫉妬の…黒い重圧に悲鳴を上げている。
耐えきれず僕は芹霞の腕を掴んだ。
芹霞は…その包みを僕から隠すように鞄に隠したんだ。
僕に見つかったのが、気まずそうな顔で。
僕のじゃ…ないんだ。
頭を鈍器で思い切り殴りつけられた感覚。
僕と居るのに、僕じゃない男を思いながら、その男の為にアクセサリーを買ったんだ?
ボクハナニ?
苦しくて苦しくて…
僕の心が、引き千切られそうになった。
ボクハセリカノナニ?
芹霞の心は、僕には傾いていない。
全然僕は、意識されていない。
コンナニスキナノニ。
意識しているのは僕だけなんだ。
じゃあ誰?
今、芹霞の意識を独占しているのは誰?
完全に――
僕の嫉妬だったんだ。

