シンデレラに玻璃の星冠をⅡ




「ぎゃああああ!!!」



絶叫は、声音を違えて尚も続く。


それは飛び降りた女に対してではない。


目を抉られたことに対する、恐怖の悲鳴だ。


少女達は血に塗れて、やがて息絶える。


片や落下の屍。

片や目を抉られた屍。


惨憺たる景色を彩る絶叫は、惑って恐怖して逃走する人間達の口からも聞こえてくる。


「やはり…目を抉られるのは、少女達か。そして…落下するのもまた女…」


瘴気が一段と濃くなる。


この状況。

この瘴気。



ならば、居るはずだ。


黄色い蝶を操る"あいつ"が。



黄色い…外套男が。



何処だ!!?


何処に居る!!?




「!!!!


あそこか!!!!」



ビルの上に、翻る黄色い布が見えたから。


私は顕現した裂岩糸を、その屋上に至るまでの隣接したビルの屋上に次々に投げつけ、それを支軸に駆け上っていく。


そしてふと…地上に目を落とした惨劇の風景は。



「北斗七星…」