『ああ…数日前だが、友達から電話が来た。首を刎ねられたと。それ以降は、あたしの携帯は取り上げられてしまっているから、よく判らない。

運命というものが絶対的であるならば、何をしても抗えないということ。だけど…あたしは、どうしてもそれを信じたくない。絶対芹霞には死んでもらいたくない。何とかしたいんだ』


それは私も同じことだった。


何で芹霞さんが、狙われるんだ?

サンドリオンと関係があるのか!!?


『なあ…桜。芹霞は…一度、死んでいるのか?』


それは突然、携帯から聞こえてきて。


それは私達の…トップシークレット。


何で…彼女が知っている?


「彼女は…生きています」


私は強張った声を出してしまった。


『ああ、そうだよな。変なことを聞いてしまった、許してくれ。過去を示す占星術(ホロスコープ)が…凶相すぎて、どう考えても"死"を示しているように思えて。それに起因して…悪影響が現在に流れている、そんな感じなんだ』


「……」


彼女は…占星術が出来るのか。

そしてそういうものは、占いに表示されるのか。


だとすれば、彼女が見て警告を発した占星術(ホロスコープ)は…間違いなく、芹霞さんのものだということじゃないか。


『占星術(ホロスコープ)は配置された天体の角度の相(アスペクト)で占う。芹霞の凶相の元を調べたら…8年前あたりから、グランドクロス、Tスクエア…凶角で結ばれる破滅の相のオンパレードで、生きているのが不思議な状態だったんだ。

それを幸運のグランドトライン…闇を司る"冥王星"と"月"と"太陽"の3惑星が作る120度同士の吉角が、かろうじて凶相を相殺していた。だが今、太陽が凶角を作り、他2惑星との吉角が崩れ…更に悪いことには…

彼女の現在の座相は惑星直列。一列となった全ての惑星が、羅侯(ラゴウ)※の凶悪の影響下にある』


「羅侯(ラゴウ)?」


『ああ。ラゴ、ラーフ…いろいろ呼称はあるが、

凶星…別名――

"ドラゴンヘッド"とも言う』



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※羅侯…本来の漢字は、目編の"侯"ですが、携帯表示が出来ないため、代用させて頂きました。