『願い求めよ』 すっ…と、傷ついた心に影が出来た。 けたたましい電子音が音楽に絡んでいる。 歓声に混ざって…妙にリアルな囁き声が聞こえた。 『さすれば我は汝等に与えん』 それは鎧のように、あたしを守ろうとして。 『さあ……求めよ。 汝の願いは如何に?』 ――否。 悪魔のようにあたしを誘って。 あたし…? あたしが願うもの? それなら時を… 楽しかった時を… 皆で笑いあったあの時を…