「お前も阿呆だが、お前を1人にする玲は輪かけて阿呆だッッ!!!」
カチン×3。
「れいひゅんほ、"ばは"ひひゅんなッッ!!!」
ぽかぽかぽかぽか。
「"馬鹿"じゃなく"阿呆"だッッ!!! よく聞けミジンコッッッ!!! 此の場所は瘴気が渦巻いている。欲が欲を生んで…酷い瘴気だ。それをどうせミジンコの脳味噌では、性的興奮としか捉えてなかったんだろうが」
せ、性的興奮!!?
「玲も玲だッッ!!! "あいつ"に乗せられるがまま、判断力を簡単に無くしやがって!! 俺がついてこなかったら、今頃お前はどうなっていたと思う!!?」
大げさな…ナンパぐらいで。
「何が大げさだッッ!!!」
凄いや、この人!!!
とうとうあたしの心を読み始めた!!!
「感激するなッッ!! お前の顔から、"心"がただ漏れだッッ!!!」
何でこんなに機嫌悪いの、この人!!!
恫喝より性質悪い。
何でこんなに絡んでくるのよ!!!
「お前が、威喝で済む簡単な女なら、そうしてた!! 口で判らなそうだから、身体で伝えたまで!!! 1人になるな、判ったか!!!」
「いひゃい、いひゃい!!!」
「判ったか!!?」
「わ、わはゃりまひた~」
ほっぺ痛い、千切れそうなんだってば!!!
「仕方が無い…。玲が来るまで居てやる」
頼んでもいないけれど、久涅はそう言って手を離すと、勝手にあたしの隣にふんぞり返って座った。
何か…凄く怒られたみたいだけれど、何でこの人、あたしのストーカーしてるの?
というか、あたし…何を怒られたんだろう?
玲くんとべたべたしてたこと?
1人で居たこと?
久涅が助けたこと?
よく判らない。

