シンデレラに玻璃の星冠をⅡ

 

「お前も阿呆だが、お前を1人にする玲は輪かけて阿呆だッッ!!!」


カチン×3。


「れいひゅんほ、"ばは"ひひゅんなッッ!!!」


ぽかぽかぽかぽか。


「"馬鹿"じゃなく"阿呆"だッッ!!! よく聞けミジンコッッッ!!! 此の場所は瘴気が渦巻いている。欲が欲を生んで…酷い瘴気だ。それをどうせミジンコの脳味噌では、性的興奮としか捉えてなかったんだろうが」


せ、性的興奮!!?


「玲も玲だッッ!!! "あいつ"に乗せられるがまま、判断力を簡単に無くしやがって!! 俺がついてこなかったら、今頃お前はどうなっていたと思う!!?」


大げさな…ナンパぐらいで。


「何が大げさだッッ!!!」


凄いや、この人!!!

とうとうあたしの心を読み始めた!!!


「感激するなッッ!! お前の顔から、"心"がただ漏れだッッ!!!」


何でこんなに機嫌悪いの、この人!!!

恫喝より性質悪い。


何でこんなに絡んでくるのよ!!!

「お前が、威喝で済む簡単な女なら、そうしてた!! 口で判らなそうだから、身体で伝えたまで!!! 1人になるな、判ったか!!!」


「いひゃい、いひゃい!!!」


「判ったか!!?」


「わ、わはゃりまひた~」


ほっぺ痛い、千切れそうなんだってば!!!


「仕方が無い…。玲が来るまで居てやる」


頼んでもいないけれど、久涅はそう言って手を離すと、勝手にあたしの隣にふんぞり返って座った。


何か…凄く怒られたみたいだけれど、何でこの人、あたしのストーカーしてるの?

というか、あたし…何を怒られたんだろう?


玲くんとべたべたしてたこと?

1人で居たこと?

久涅が助けたこと?


よく判らない。