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玲くんのべたべた&ちゅっちゅ&とろり攻撃が止まない。



恥ずかしいのはあたしだけなんだろうか。

玲くんは恥ずかしくないんだろうか。


照れ屋の癖に、そういうのは平気なのだろうか。


玲くんの実体は、未だ把握出来ない。


――ふふふ、ねえ…少しずつ激しいの、皆に見せつけていこうか。


妖艶な光まで目に宿らせて、"これ以上"をしようと恐ろしい提案を笑顔で言う。


そんな余裕であたしを翻弄してばかりの玲くんも、次第に…青色の多さに笑みを無くしていった。


――あははははは~。


蒼生ちゃんの影があったS.S.A。


突然変なダンサーは来るわ、魔法使いは出るわ。


結局…あの袋の中身は玲くん教えてくれないし。


おかしな手錠は、あたしの大きな鞄の中。


今回は…ブティックの時からとはいえど、胡散臭い本人が現われたわけでもないし、車貸してくれるし、玲くんを益々格好良くしたし、S.S.Aの券くれるし…多少友好的に思っていたあたしとは違い、玲くんは…いつも以上の警戒心をもっている。


べたべた&ちゅっちゅ&とろりの手を休めてくれたあたしとしては、ようやく息をついて、自分を立て直せる時間を取り戻せた。


ほっとしているくせに寂しいような…何とも消化不良な感覚。


だけどまあ…


元々"我慢"で微笑む玲くんの、剥き出しの表情の一片を見れて、あたしとしては面白かったのだけれど…。


あたしは、同じ光景を目にしている癖に、どの部分に玲くんが過剰にも思える反応しているのかまるで判らず。


だけど…

あれ以来…更におかしな"何か"はやってきて、必ずあたし達に絡むようになったのは確かなこと。


だから玲くんはすぐネームプレートを確認するようになった。