「あの男がお前をからかっているだけだと思うか?」



久遠は…何を言いたい?



「あの男の行動が全て意味があると考えるのならば、それにも意味があると考えるのが筋だろう。

メッセージを仕込んでいる」



――は!!?



(蒼`◇)<濃厚氷━☆(゚■゚紫)ノ



「何だよその間抜け顔。気づけよ、それくらい!!!」


苛立った声が飛ぶけれど…


どう見ても、氷皇が紫堂たる俺に…


"濃厚氷"



何でこんな言葉だ?



そして思い出す。


この絵文字に至る前に、少しずつ…平仮名で現われた。



俺は…ジェスチャーで、俺達を見守る蓮に筆記用具を促し、紙の裏に書き付けた。


いつの間にか、遠坂も司狼も旭も覗き込んでいる。


"濃厚氷"


"のうこうごおり"


「ねえねえ~。"氷"なのにどうして"ごおり"~? かいくん間違えちゃったの~?」


旭が声を上げた。


「アナグラム…か、もしかして。並び替えてみろってことか?」


遠坂が鎮めた声を出した。


「だとすれば"ご"である必要があるわけか」


遠坂の言葉を受けて、久遠が薄く笑った。


「紫堂櫂。お前の頭が人並なれば、オレの話の流れから判るな」


いちいち突っかかる言い方をするけれど。


判ったよ、久遠。



つまりそれは――



俺は並び替えた。