途端に遠坂は三日月目となり、キーボードを凄まじい早さで打込み、画面に何やら接続すると…旭と司狼が駆け寄って、大画面に釘付けだ。
蓮が俺の目の前に煎茶を置いた。
「ひとまず休め」
玲と桜が思い出された。
俺の疲労を見計らい、すぐにこうして飲み物を出してくれた。
そして隣では煌があどけなく笑って癒してくれて、
反対隣では芹霞が笑いかけてくれた。
本当に…俺の周りは恵まれていたと思う。
何かを調べようとすれば、全員が一丸となって真剣に早急に情報を集めてくれたから、俺はイライラすることはなく…いつも穏やかに、そして信頼して任せてられたのに。
「何」
少なくともこんなに腹立たしくさせる奴はおらず。
「休みたくないなら、勝手に働けば?」
カサ…。
「怠け者なりに、良心が咎めるんなら」
カサ…。
俺は――
「おい、何をするんだッッ!!」
久遠の本を取り上げた。
ああ、忌々しいッッ!!!
こんな本読みやがって!!!
こんな本…
こんな…
――!!!?
俺はその本の頁をぱらぱらと捲った。
如何わしい純文学ではなく――
古文書だった。

