「似た者同士だね君達。

いつもクールぶっているのに、そんなに感情剥き出しにしちゃう程、本当に仲いいね、息ピッタシ」



「どこが!!!?」


声を荒げたのは久遠。


俺は声がでないから、ただ睨み付けただけ。


冗談じゃない。


俺とこいつの何処が似ているって?

仲がいいって?


どこが!!?


「判った、判ったから…というか、同じ表情しているっていうの判らないのかね。まず久遠は駄々こねないで、紫堂も挑発しない。

はい、当初の予定通り…皆で仲良く本を片付けながら目的の資料を探す。いいね、探すのが先決だから!!! 見つかって此処が綺麗になったら、あとは勝手に決闘でもしてきていいぞ!!!」


床には足の踏み場もないほどの古めかしい本に溢れ、読書用の大きなテーブルと俺達が座る6人掛用の椅子が処狭しと…部屋の中央に鎮座している。


かつて白皇…レグの開発した機械部屋は、四方を各務の家にあった膨大な資料に埋め尽された新装の書庫となった。


勿論機械もまだ作動しているが、それを一部でも操れるのは、遠坂しかいない。


「ここの機械使っても…師匠に連絡とれない理由を懸命に探しているボクを、馬鹿馬鹿しい子供の喧嘩騒動で邪魔しないでくれよ、いいかいッッ!!!

君達は豊富な各務家の資料から、"黄幡家"についての歴史と、レグが残した変な資料がないか調べるッッ!!! 勿論、片付け係も兼任だッッ!!!」


ぴしっ、と人差し指が突きつけられた。


玲に…俺が蘇ったことを連絡できずにいるらしい遠坂は、ぴりぴりしている。


大きな画面には0と1の羅列。


機械に関しては…玲以外には遠坂以外に頼れる人間もなく…俺は舌打ちして素直に椅子に座る。


「お前…声はでなくても、そんな音は出せるんだな」


久遠も紅紫色の瞳で俺を睨みつけながら、椅子に座った。