「だけどあのダンサー、衣装以上に真っ青になってたね。あたし、ラテンダンスのことは判らないけれど、衣装って真っ赤な…情熱的な色のドレスかと思ってたよ」
何気ないひと言だった。
だけど――
改めて施設を見てみると。
多い。
やけに多い。
やっぱり多いじゃないか。
青色。
気のせいか?
僕の考え過ぎか?
建物の色はおろか、従業員の制服も青色。
備品に至るまで青尽くし。
これが普通か?
違うだろう、どう考えても。
そんな時。
「玲くん、あれじゃない? 入り口のゲートで、必ず寄って半券を見せるように言われた広場っていうのは…」
青色の広場。
青色の噴水。
青色のテント。
青いチケット。
出来すぎだ。
絶対、気のせいじゃない。

