「判りました、親父殿」
そして久涅は…懐から"それ"を取出し、くるくる回すと――
玲くんが開けた窓から放り投げたんだ。
「久涅、何をする!!!!」
叫んだ玲くんが"それ"を手を伸して受け止めようとしたが、"それ"は玲くんの手から滑り落ちてしまった。
"それ"とは――
「やめろおおおおお!!!!」
金の万年筆…?
ドゴゴゴゴコゴオオオン!!!
ヘリが大きく揺れた。
何が起こったのか――
一瞬、判らなくて。
だけど窓一杯に映る…
赤い惨状が真実を告げた。
赤い赤い…これは炎。
あたしは…悟った。
ドゴゴゴゴコゴオオオン!!!
これは――地獄の音。
あってはいけない…悪夢の轟音。

