「これは何?」
久涅が床に落した青い紙を拾い上げれば…。
ああこれは…例の請求書…。
玲くんの顔を青く染め上げた『請求書2』ね。
「これも…破っちゃう?」
「破りたいね…。存在すら判らなくなるほどビリビリに破って…」
盛大な溜息をついて、請求書に再度目を走らせた玲くんは――
「ああ、破るの…決定!!!」
何だか突然興奮した声を出した玲くんは、それは細かく細かく手で破き始めた。
そしてヘリの窓を開け、空に飛ばしたんだ。
「ああ――
本当にもう!!!
泣けてくるね!!!!」
本当に――
玲くんが泣いている気がして。
慟哭している気がして。
そこまであの請求書は、玲くんの心を苛ませるものだったのか。
そんな時だった。
「久涅、時間だ」
当主が、低い声を出したのは。

