「玲くん…
あたしを選んでくれるの?」
僕を魅惑し、縛り付ける黒い瞳から…
「いいの、あたしで…?」
涙がはらはらと零れて。
「あはははは、やだな。
やだ…こういうもんなんだ。
――両想いって」
リョウオモイ…?
脳内で漢字変換が出来ない。
意味が判らない。
リョウオモイ…って何?
「まだ、多分の段階だけれど…
恋愛初心者だから判らないコトだらけだけど、
あたし――
もっともっと玲くんのこと知りたいと思うし、
玲くんの近くに居たいと思う。
これって…恋だと思うから。
だから玲くん――」
芹霞が…微笑んだんだ。
僕に向けて…
「これからも、
よろしくお願いします!!!
あたしも――
玲くんが好きです!!!」
真っ赤な顔で――
はにかむように。
ガッシャーーン。
その時――
屋敷の窓硝子が、
木っ端微塵に吹き飛んだ…
音がした。

