既に判っている。
芹霞の返答なんて。
"男"として意識されたかったよ?
愛されたかったよ、本当は。
本当は…
もっともっと僕を見てと叫びたいけれど。
本当に…
諦めきれるのか自信はないけれど…。
これが僕の贖罪だ。
求めて拒まれる辛さは…
櫂は何度も経験したんだ。
櫂の方が苦しかったんだ。
だから…
僕は耐えられる。
散った恋の辛さくらい…。
いいよ、芹霞。
さあ…僕を拒み倒して。
僕は――
ただの灰かぶりに戻る。
夢を見させてくれてありがとう。
愛させてくれて本当にありがとう。
本当に僕は――
君が好きでした。
さあ…
いつもみたいに僕を――
「…本当に…いいの…?」
僕を拒んで――…?
「本当……?」
………え?
いつもと調子が違う、震える芹霞の声調に。
どうしたのだろうと…
僕は、顔を上げた。

