僕の…芹霞に対する想いは純粋だ。
それだけは信じて欲しいんだ。
好きだといいたい。
愛してるっていいたい。
いつまでも何処までも芹霞だけが好きなんだと。
それはブレていないのだと。
だけど…罪深い僕は、もう心を伝えられない。
櫂にとって大切なものを奪った僕は、同じ大切なものを失わねばならない。
芹霞を好きだという心を。
だから――…
0時が過ぎたら。
僕は一切を封印しようとしていたんだ。
ああ、覚悟して…離れようとしている時に、
何でこんな執着!!!!
カラーン。
「小娘。"お試し"の結果は、もう出したのか?」
久涅の…何かを含んだような声音が響く。
「ううん、まだ。0時ってことは…もう時間だけど」
どうやら芹霞は、久遠の手を口から外されたようで。
「だったら…玲。
今此処で、鐘が鳴り終わるまでに…
お前が本当に好きな女の愛を請え」
「え?」
「場を設けてやる。
凜に心が移ったのなら、それを小娘にきちんと言え。
もしそうでないならば――
堂々と潔く、小娘に愛を請え。
お前が小娘を大事に想うのなら、
それくらい出来て当然だ」
櫂の――前で?
芹霞が好きだと…言うの?
どんな顔で?
「やだ、何であたし…皆の前でフられないといけないの?」
拒絶したのは芹霞で。
ああ、その理由に…"僕"が騒ぎ出す。
何で…芹霞が僕にフラれるの?
そんな…
まるで僕が好きだだけれど、
叶わない…そんな言い方を何故するの?
芹霞のフラれるという前提が、
僕が違う女を好きになったからという…芹霞の勘違いからくるものなら。
絡んだ糸を元に直したら…
芹霞は…どう反応するんだろう。
僕だからという理由で、僕を弾いたのでないならば。
僕のことを少しでも…許容してくれる気があるのならば。
ボクハフラレナイデスムノ?
ああだけどそれは――
僕が持ってはいけない未来への期待。
ありえない、そんなこと。

