「紫堂櫂は…

存在して…生きている」




――紫堂櫂は存在していなかった。




「君が愛したのは――」



震える声。



苦しい心。

叫びだしたい心。



「紫堂玲ではなく…」



ああ…僕を…



愛して――

貰いたかったんだ!!!



「紫堂…櫂、だ」



本当に、本当に!!!



ボクヲミテ。

ボクヲアイシテ。



本当に、君が好きだから!!!