「最初何が始まったのか判らなくてな。画面の上に、段々とサイズが大きくなっている骨マークがあるだろ。アレがゲームライフらしく…1つ減るたびに…」


「瘴気が…強まり、"約束の地(カナン)"が震える。

"約束の地(カナン)"の地下で…

何かが爆発している」


久遠が言った。


「あ!!!?」


もしかして…地面が揺れたのは?


「デフォルトの骨は7つで、今は5つ。2回…ああお前も感じたか。無くなる骨の大きさに応じて、大きな爆発になるようだ。ああ、ほら…」


画面から、1つ骨が消えた瞬間。


ドドーン。


今度は爆発だと判る、不自然な揺れを感じた。


地震ではなく…確かにどこかで爆発してるらしい。


何でそんなこと出来るんだ?

いつ仕込んだんだ?


何してるんだよ、氷皇!!!

…本当に、バックにいるのは氷皇だけか?


「だったら…最後の、一番大きな骨がなくなれば、何処がどれ程の規模で爆発するのか。

だったら、骨を減らさないようゲームをし続けるしかないわけで」


蓮が憂鬱そうに言った。


「それにあのカウントダウンが気になる。0になれば何が起こるのか。骨がなくなれば、カウントダウンの数がかなり減るのだ」


本当だ。


33:20


今はそれしかねえ。


「増えはしねえのか?」


「あのゲームは、キーボード配列に対応した位置に、ランダムで出てくるイヌを対応キーを押すことで叩いていく。それが判ったのは、クマが見抜いたおかげなのだが。

あれは段々と早くなってきてな、画面の右隅に数字が見えるだろう? あれが得点で、一定の得点になれば、画面横にある合計30の升目にハートが現れる」


カタカタカタ…。


遠坂の早い指捌きで、ハートはあと3つで升目一杯になる。


「あそこに1つずつハートが増えるたび、カウントは10増えるのだが…」



「ぎゃああああ、何だい、このワンコは!!!」

「ああ、また来たのか!!! このエロワンコ!!!!」


飛び起きて正気に戻ったらしい小猿の声。


升目を横切るように…何故か、赤い…パンツを頭から被った変態風の…オレンジ色ワンコが現れて、ハートをばくばくと食べちまった。


全部。


………。


おい。



何で――



オレンジ色だ?



「忌々しい、エロワンコめ」


だから何で俺を見る!!?