ああ、芹霞!!
どうして、俺を思い出せないんだ!!!?
どうして!!!?
思い出せ。
思い出してくれッッ!!!
「だけど――…
シドウカイっていうの…
なんか記憶がある」
どくん。
期待に俺の心臓が跳ねる。
その言葉に、俺は託したんだ。
「シドウカイ…? シドウカイ…。
何だろう…聞いたことがある…」
そうだ、頑張って思い出せ。
俺は祈るような思いで、
腕組みをして首を傾げる芹霞を見つめた。
暫しの静寂。
身体が今にも崩れ落ちそうな程、緊張してくる静寂。
そして――
「ああ!!!
煌が仕えていた『気高き獅子』だ!!
煌が良く口にしてたよ!!!」
嬉しそうに手を叩く芹霞。
「何だ、煌の知り合いか!!!
死んだはずの、玲くんの前の紫堂財閥の次期当主だね?
そう言えば玲くんの従弟で久涅の義弟だって、あたし聞いてたんだった。
生きてたんだ? 良かったね。
あたしと煌と同じ桐夏だったっけ?
だからあたしの名前も知ってたんだね?」
くらりと、眩暈がした。

