俺の言葉が…仲間にどんな影響を与えるのか。
"約束の地(カナン)"にどんな影響を及ぼすのか。
隠し続けようとしていた皆の想いを思えば心痛くなるけれど。
――久涅は…見抜いているよ…凜。
ごめん。
だけど…俺ももう…限界なんだ。
落とし前は、自分でつける。
だから…許して欲しい。
…俺は芹霞の…
俺の記憶を戻したいんだ。
「隠していれば良かったものを…」
元より判っているといわんばかりに、
久涅が笑い続ける。
「え? このそっくりさん、久涅の知り合い? 本物?」
「どうやら…そうらしいぞ、はははは」
芹霞…。
頼むから、思い出してくれ。
俺は唇を噛んで、布を巻き付けた手首を芹霞に見せる。
それは…愛というの俺達の絆。
だけど芹霞は、きょとんとした顔をして。
「凜ちゃんとおそろ? っていうか、流行ってるのそれ?」
違う。
俺は首を横に振って。
「俺が…凜だ…。
芹霞…俺は…生きている…」
俺に出来ることはただ1つ。
男の…本来の姿で、芹霞の記憶を刺激するだけ。
芹霞の記憶の片隅には、絶対俺が居る。
居ないわけがない。
――あたしは櫂がだあい好き!!
俺は、芹霞から溢れる程の愛情を貰ったんだ。
俺だって、俺の全てで芹霞に愛を返していたはずだ。
必ず、何処かに俺は居る。
消え去っては居ない筈なんだ。
それだけ深く、俺達は互いを必要として生きてきただろう?

