シンデレラに玻璃の星冠をⅡ


俺の言葉が…仲間にどんな影響を与えるのか。

"約束の地(カナン)"にどんな影響を及ぼすのか。


隠し続けようとしていた皆の想いを思えば心痛くなるけれど。


――久涅は…見抜いているよ…凜。


ごめん。


だけど…俺ももう…限界なんだ。


落とし前は、自分でつける。


だから…許して欲しい。


…俺は芹霞の…


俺の記憶を戻したいんだ。



「隠していれば良かったものを…」



元より判っているといわんばかりに、

久涅が笑い続ける。



「え? このそっくりさん、久涅の知り合い? 本物?」


「どうやら…そうらしいぞ、はははは」



芹霞…。

頼むから、思い出してくれ。



俺は唇を噛んで、布を巻き付けた手首を芹霞に見せる。


それは…愛というの俺達の絆。


だけど芹霞は、きょとんとした顔をして。


「凜ちゃんとおそろ? っていうか、流行ってるのそれ?」


違う。


俺は首を横に振って。



「俺が…凜だ…。


芹霞…俺は…生きている…」



俺に出来ることはただ1つ。


男の…本来の姿で、芹霞の記憶を刺激するだけ。


芹霞の記憶の片隅には、絶対俺が居る。

居ないわけがない。


――あたしは櫂がだあい好き!!


俺は、芹霞から溢れる程の愛情を貰ったんだ。

俺だって、俺の全てで芹霞に愛を返していたはずだ。


必ず、何処かに俺は居る。

消え去っては居ない筈なんだ。


それだけ深く、俺達は互いを必要として生きてきただろう?