シンデレラに玻璃の星冠をⅡ

 
「この独特な荒業…1人しかいないよね、絶対!!!」

「えええ!!? じゃあこれは本当に三沢さん!!!?」

「だからそうだと言っているだろ~、『白き稲妻』…」


「なあ、蓮はどう思う? あの柿ピーの野生グマと同一だって思えるか?」

「なんとも信じ難い話だな。別人としか思えん」


「そうだよ、蓮の言う通り!!!

こんなイケメン、クマのはずないッッ!!!

クマがイケメンのはずはない!!!」


「酷いよ、嬢ちゃん~。『白き稲妻』だって、大量に毛が生えればクマになるんだって!!!」


「お黙りッッ!!!

イケメンはね、美形は…毛なんて無縁なの!!

そうだよね、玲くん!!!

それとも玲くん、毛があるの!!?」


「あ…僕……」


「由香、どうして紫堂玲は赤くなるんだ?」

「さあ…? 目をそらせて凄く恥らっているよね。恥らうようなこと?」


「久遠は毛がある!!? ちょっと身体触らせて!!!」

「……よせってこっち来るな、痴女か!! 目を覆われてて、なんでそんな正確に…よせって、せりッッ!!!」

「芹霞、ない!! ないない!!! 久遠は全然毛がないから!!」


「失礼な、久遠様はハゲてない!!」

「蓮…毛は髪だけじゃないって」


「ほら、久遠にも毛がないみたいだし!!!

だから、あんたはクマじゃない!!!」


「毛なんて!!!」


自称クマ男が叫んだ。


「風呂場で洗っても、柿ピーが毛に埋もれて絡まって取れないから、面倒になって根元から剃っただけだ!!!

部分的に剃ったら格好悪いから、全部剃っただけだ!!!

言っただろう、嬢ちゃん!!! 俺は毛を取ればイケメンだって。

俺は毎朝髭剃ってるし、朝はいつもこんな顔だ!!!」


「言ってたっけ、玲くん…」

「車でそんなことを聞いた気がしたけど…戯言じゃなかったのか」


「信じてくれよ~。

明日の朝になれば、元に戻る!!!

見事にクマクマしく戻ってる!!!」


そういうものなのかな…。


「俺は!!!

剃っても剃ってもすぐ毛深くなるだけの!!!


ただの!!!

普通の!!!

おちゃめな!!!


"イケクマ"だッッ!!!」


最後は――

どや顔だった。