「私は、此の世の人間は全て平等だと思っている。老若男女…全てが平等で、上下関係などない。平等だからこそ、私には嫌う人間などいない。
お前は…私に嫌われたいのか?」
周涅は何も言わない。
見事に反応しない。
反応しないということは…
嫌われたくないという心の証とも言えるんじゃねえか?
「周涅。お前はあたしを殺したいか、それとも生かせたいか?」
それは妹からの選択肢。
「あたしを生かせたいというのなら。
まずは煌と桜に言った無理難題を取り下げろ。
玲の結婚を取りやめろ。
そして、紅皇さんの肉体を戻す手段を教えろ。
肉体さえ元に戻れば…意識は還れる。
そう…朱貴は言っていた。
そうだな?」
朱貴は肯定するように、目を逸らす。
「紅皇さんの肉体回復に望みをかけ…
だからあたしは朱貴と共に戻って来た。
さあ、選べ周涅。
妹を殺したいか」
死を覚悟したその選択肢に、周涅は――
「――……ふうっ。降参」
あっさりと両手を挙げた。
「二言はないな?」
「うん。ワンちゃんと葉山ちゃんは解放する。
だけど――
結婚話と紅皇の方は駄目だ」
そして含んだ笑いを七瀬に見せて。
「1つの提示に、あまりにも条件が多すぎる。
賢い紫茉ちゃんなら、意味…判るよね?」
少し目を伏せた七瀬。
そして顔を上げると、毅然と言い放ったんだ。
「判った。
あたしは…
お前に利用されてやろう。
あたしは周涅と此処に残る」

