シンデレラに玻璃の星冠をⅡ


「私は、此の世の人間は全て平等だと思っている。老若男女…全てが平等で、上下関係などない。平等だからこそ、私には嫌う人間などいない。

お前は…私に嫌われたいのか?」



周涅は何も言わない。

見事に反応しない。


反応しないということは…

嫌われたくないという心の証とも言えるんじゃねえか?



「周涅。お前はあたしを殺したいか、それとも生かせたいか?」



それは妹からの選択肢。



「あたしを生かせたいというのなら。

まずは煌と桜に言った無理難題を取り下げろ。

玲の結婚を取りやめろ。


そして、紅皇さんの肉体を戻す手段を教えろ。


肉体さえ元に戻れば…意識は還れる。


そう…朱貴は言っていた。


そうだな?」



朱貴は肯定するように、目を逸らす。


「紅皇さんの肉体回復に望みをかけ…

だからあたしは朱貴と共に戻って来た。


さあ、選べ周涅。


妹を殺したいか」


死を覚悟したその選択肢に、周涅は――



「――……ふうっ。降参」


あっさりと両手を挙げた。


「二言はないな?」


「うん。ワンちゃんと葉山ちゃんは解放する。


だけど――


結婚話と紅皇の方は駄目だ」



そして含んだ笑いを七瀬に見せて。



「1つの提示に、あまりにも条件が多すぎる。

賢い紫茉ちゃんなら、意味…判るよね?」



少し目を伏せた七瀬。


そして顔を上げると、毅然と言い放ったんだ。



「判った。


あたしは…


お前に利用されてやろう。


あたしは周涅と此処に残る」