「お前達を助けたりなどしなければ、罰則(ペナルティ)…こんな呪詛をかけられることはなかったのだ。聖は務めを果たしたまで」
俺は、飄々とした笑いを浮かべている聖を睨み付け、
「助ける…方法はあるのかよ?」
その目を周涅に向けた。
「聞いてどうする?
第一――
俺に"見返り"はあるのか?」
そんなものねえ。
あるとすれば…
「ならば、大人しく切り刻まれ、
食らい合うか?」
桜を一瞥し、にやりと周涅は笑う。
「食らい合い、
俺を楽しませるのなら――
紅皇を助けてやってもいい」
俺は桜と顔を見合わせた。
「自分だけが…などいう犠牲精神は反吐が出る。
2人が互いに、互いの身体を貪り食らえ。
それが条件」
嫌な…汗が流れる。
俺と桜――
どちらも苦渋。
どちらも切迫。
緋狭姉を助けたい。
その思いまで重なり合っているのに。
「周涅!!! 馬鹿なことを言うな!!!
兄上に言い付けるぞ!!!?」
小猿が騒ぐけれど。
「俺に全権を委ねられている。
俺の意思は――雄黄の意思」
「兄上を呼び捨てにするな、下郎が!!!」
途端、地面が暴発する。
俺は慌てて結界を強固にして、水の勢いから小猿を守る。
「条件は変えない。
紅皇を助けたければ、紅皇の弟子達が食らい合え。それが嫌なら、そのまま紅皇が死ぬのを見ているがいい」
俺は緋狭姉を助けたくて。
桜も緋狭姉を助けたくて。
閉じ込められたこの空間の中で。
刻々と時間だけが過ぎゆく中で。
緋狭姉の背中の紫が…濃くなっていくようで。
「どうする? 俺に…一縷の望みをかけてみるか?」
それは…残酷な、悪魔の囁きで。
――如月煌と名付けよう。
緋狭姉…
――尻叩きの刑だッッ!!!
緋狭姉、俺は…。

