シンデレラに玻璃の星冠をⅡ


「お前達を助けたりなどしなければ、罰則(ペナルティ)…こんな呪詛をかけられることはなかったのだ。聖は務めを果たしたまで」


俺は、飄々とした笑いを浮かべている聖を睨み付け、


「助ける…方法はあるのかよ?」


その目を周涅に向けた。



「聞いてどうする?


第一――

俺に"見返り"はあるのか?」



そんなものねえ。


あるとすれば…



「ならば、大人しく切り刻まれ、

食らい合うか?」



桜を一瞥し、にやりと周涅は笑う。



「食らい合い、

俺を楽しませるのなら――


紅皇を助けてやってもいい」




俺は桜と顔を見合わせた。



「自分だけが…などいう犠牲精神は反吐が出る。

2人が互いに、互いの身体を貪り食らえ。


それが条件」



嫌な…汗が流れる。


俺と桜――


どちらも苦渋。

どちらも切迫。


緋狭姉を助けたい。



その思いまで重なり合っているのに。



「周涅!!! 馬鹿なことを言うな!!!

兄上に言い付けるぞ!!!?」



小猿が騒ぐけれど。



「俺に全権を委ねられている。

俺の意思は――雄黄の意思」



「兄上を呼び捨てにするな、下郎が!!!」



途端、地面が暴発する。


俺は慌てて結界を強固にして、水の勢いから小猿を守る。



「条件は変えない。


紅皇を助けたければ、紅皇の弟子達が食らい合え。それが嫌なら、そのまま紅皇が死ぬのを見ているがいい」



俺は緋狭姉を助けたくて。

桜も緋狭姉を助けたくて。



閉じ込められたこの空間の中で。

刻々と時間だけが過ぎゆく中で。


緋狭姉の背中の紫が…濃くなっていくようで。



「どうする? 俺に…一縷の望みをかけてみるか?」


それは…残酷な、悪魔の囁きで。



――如月煌と名付けよう。



緋狭姉…


――尻叩きの刑だッッ!!!


緋狭姉、俺は…。