耳に響く絶叫。
それは人のものとは思えなかった。
不可解なる擬音語。
その悍(おぞま)しさが、僕の中の暗澹たる感情を共鳴させる。
震えさせる。
呼び覚まされるのは、僕の中の狂いの血。
不安定でさざめく…澱んだ僕の血。
ざわざわざわ。
僕の中の狂気が、炎と同期したように揺らめいていく。
――報われない恋はやめたら?
ざわざわざわ…。
――所詮、真実の愛には敵わないって。
ああ!!!
芹霞、今何処に居る?
ねえ…もう櫂と会ったの?
会って…記憶が戻ってしまったの?
切なさとやりきれなさに、泣きたくなってくる。
会いたい。
抱きしめたい。
安心したい。
変わらぬものが僕にはあると。
不安なんだ。
不安で仕方が無いんだ。
君が…離れていきそうで。
そんな時だったんだ。
突然、視界に――
黄色い外套男と…
芹霞の姿を見たのは。
それだけではない。
久遠とクラウン王子、
そして…滅んだはずの大量の屍の姿。
今まで何も無かった闇の場所に、
突如現われたものは――
僕の不安が見せた夢なのか
厳しい現実なのか。
惑う僕の動きが遅くなり、
気づけば僕には手刀が向けられていて。
その早さと正確さ。
目をやられる!!!
しかし――
突如走った漆黒の風。
僕は助けられたんだ。
女装姿の櫂に。

