ザアアアアアア。
頭から、温水が降ってきたんだ。
激しく。
吃驚して目を開ければ、
「風呂にでも入って、
腐れまくった脳味噌を
ぴっかぴかに洗ってこいッッッ!!」
そして久遠は、片手に握っていたシャワーを、あたしの手に持たせた。
――え?
シャワーは、あさっての方向に飛沫を上げる。
「何ボケっとしてるんだよ、せり」
「え? え? え?」
「そんなに襲われたかったのか? 強姦願望でもあるのか?」
「え? え? え?」
「ふらふらするなって言ったの、忘れたのか?」
「え? え? え?」
そしてあたしの頭が、1つの答えを弾き出した。
あたしは――
からかわれただけだと。
久遠には初めからソノ気はない。

