「狂乱!!!? 何でんなことになっちまったんだよ!!! 朱貴、出入り出来なくても制御出来るんなら…」
「"狂乱"は定義(ルール)外、真の主以外に制御出来ない!! 仮にも出せたお前が制御出来ないのなら、出したお前が消すのが道理!! 定義(ルール)ぐらい、お前だって判っているだろうが!!?」
「知らねえよ、定義(ルール)って何だよ!!!」
クアアアアアアッッ
「知らな…い? そんな重要なこと、緋狭から聞いてないのか!!?」
「だから知らねえって!!! 突然俺から金翅鳥(ガルーダ)が出てきただけで!!! 難しいことは金翅鳥(ガルーダ)に聞けッッッ!!!」
クアアアアアアッッ
「知らないのに、出入りさせているのか、お前!!!?」
「だから、出入りじゃなく、"出"だけだって!!!」
クアアアアアアッッ
「はあ!!? お前、金翅鳥(ガルーダ)に選ばれたんだろう!!? 真の所有がまだ緋狭でも、それに近いことは出来るはずだ!!! 最低限出入りさせられるのが、……の条件だぞ!!!?」
「あいつがクアクア煩くて、よく聞き取れねえ!!! いいか、朱貴!!! お前が何と言おうが、定義(ルール)がどうであろうが!!! 俺は金翅鳥(ガルーダ)出せるだけ!!! しまう時は緋狭姉担当だ!!」
俺は威張り腐ってどや顔だ。
クアアアアアアッッ
…金翅鳥(ガルーダ)に馬鹿にされてる気分。
「緋狭…。お前何甘っちょろいこと…。俺はてっきり…」
「朱貴、後から周涅!!!」
小猿の声に、よろめいていたらしい朱貴が、慌てて移動したようで。
「阿呆か、お前はッッッッ!!!!」
そして朱貴の怒りの塊が、何故か俺に飛んで来て。
「お前は、五皇の炎の神鳥を、舐めてるのかあ!!!?」
――この、馬鹿犬めが!!!
「ひいいっっ!!?」
まるで緋狭姉に怒られている気分になって、俺は飛び上がる。

