「お前は、金翅鳥(ガルーダ)を出せるんだろう!!?」
俺、以前朱貴の前で金翅鳥(ガルーダ)出したことあったっけ?
そんな疑問も湧いたけれど、
今の問題はそんなことより…
「朱貴、出せることは出せるが、懐柔は出来ねえんだよ!! …しかもあれは…」
緋狭姉指揮下に、俺達を襲ったんだ。
一度敵として襲ったものに力など貸すだろうか。
金翅鳥(ガルーダ)は飼い主に似て凶暴なんだ。
出したはいいけど、"間違えました、還って下さい"であっさり終われるような話にならねえんだよ。
というより、出せたとしても還ってくれねえんだよ、普通でも。
頼んで頭下げたって、土下座したって…還らねえんだよ、あいつ!!!
クアアア、クエエエって高笑いしながら居座るんだよ!!!
俺の言うこと聞いてくれねえんだよ!!!
気むずかしいんだよ!!
緋狭姉みたいなもんなんだよ!!
「いいから出せ!!!
俺が懐柔する!!!」
"俺が"って…。
「いくら朱貴でも、紅皇のペットを…「いいから出せッッッ!!!」
くつくつ、くつくつ。
「ほう…懐かしき金翅鳥(ガルーダ)か。
緋狭のものを使うまで、切羽詰まっているか、朱貴」
炎ごと水に呑み込まれ、
ガラガラと…天井の瓦礫の破片が落下してくる。
俺の躊躇が、増幅力を不安定にさせていく。
ガラガラガラ…。
このままなら、聖は――。

