シンデレラに玻璃の星冠をⅡ

 
「うわ、何だよ、これ…。遊園地の電力なんて殆ど残ってないし、僕が今動かしているメインの機械を動かすのでやっとの動力しかないじゃないか!!! ん…出入り口を封鎖しているのか?」


「うん。空飛んでたヘリから…制裁者(アリス)らしき奴が降りたってね。外部から来る奴は敵だと思え…の、苦肉の策。ヘリポート閉鎖しても、投下されたら意味ないけどさ。陸と海を優先封鎖してる」


「制裁者(アリス)!!?」


「蓮が鏡と双月牙で追い払い、駆け付けた司狼と旭が撃退はしたらしいんだけれど。

もう此処は混沌さ!!!

蛆が出るわ、蚕が出るわ、蝶は飛ぶわ、制裁者(アリス)は出るわ、久涅まで来たんだ。犠牲者を増やさない為にも、閉鎖する必要があった。それじゃなくても、大量の報道陣に溢れたからね」


「報道陣……今は7時前。記者会見はまだか」


「師匠は聞いてるのか? 久涅の言う、重大な会見って」


僕は首を横に振る。


カタカタカタ…。


電気の消耗は、6時30分辺りから急激だ。


"約束の地(カナン)"の遊園地のアトラクションの電力を同時一斉フル稼働させても、此処まで減らない。


今は7時になっていない。

30分足らずで、一気に此処まで消費するなんてありえないんだ。


「原因は――何だ!!!?」


カタカタカタ…。

カタカタカタ…。


「え!!!!?」



ある画面において、動きを止めた僕に、由香ちゃんがふうと大きく溜息をついた。



「どう思う、師匠。そこまで莫大な電気が、移動していたことについて。しかもそれは今も…移動し続けている」


そう。

電気の消費率の激しい場所を、"約束の地(カナン)"MAPと照らし合わせて見てみると…移動しているんだ。