「何でレベルG!!? レベルGっていうのは、"約束の地(カナン)"の全電力30%以下になった場合だぞ!!? 此処の独自開発している全電気量は普通じゃない程膨大だ!! レベルGは日本列島を揺るがす程の大災害規模が想定で、"約束の地(カナン)"の壊滅レベル時だぞ!!?」


此処の遊園地のアトラクションは、例えばジェットコースターだの…安全に万全の注意を払うものがあり、最低限電力停止などあってはいけないことだから、僕は此の地が遊園地になったと同時に、緊急システムというものを構築した。


停電と同時に遊園地が危険に晒されぬよう、電力がある一定のレベルに減じれば、それに応じてレグが密かに構築していた…海からの水力発電による予備電力から、電力を自動供給して通常稼働電力を回復させる仕組みを取っている。


予備に切り換えたと同時に、通常システムを再起動させ、通常電力の回復が成された時、再び切り替わるようになっているのだけれど。


此の地の全電力が無くなるなんてことは、あくまで最悪想像上のもので、現実的は殆ど不可能に近い。


それでも"もしも"の為に用意していた緊急システム。


レグの残した機械が認知出来る、使用可能な全電気量の残量に応じて、90%~80%残量になった場合をレベルAとし、80%~70%をレベルB…としていった場合、レベルGは残量が30~20%、そして20%以下を最低値レベルZとしている。


"約束の地(カナン)"の膨大な電気量を思えば、レベルAになることも滅多にない。


更に此の地の電力系統は、東京を含めた本島とは別個に存在するものであるから、仮に本島で停電が起こっても、此の地で電気が安定していれば、外部的なものが要因のトラブルはまず起こらない。


レベルGなど、ありえないんだ。


「だから緊迫してるんだって、師匠!!! この緊急システムがMAXのレベルZになっても電力が回復出来ねば、ボクには取る術ないんだよ!!!」


僕は立ち上がり、由香ちゃんを促して機械室へと赴く。


久しぶりに足を踏み入れた機械室。


視界に拡がる大きな機械には警告を知らせる赤いランプが点滅している。


僕は飛びつくようにして、カタカタとキーボードを叩くと、"約束の地(カナン)"の現状…電気量の詳細を画面に映し出す。