――レイ…。



僕には…道がないのか?

進むことは許されないのか?



「「「「罪人は救われない」」」」



4人が声を揃えて。



――レイ…マモッテアゲル…。



ただ1人…

忌まわしき母だけが…。


――オカアサマノトコロニオイデ…。


僕を庇護しようとする。



「選択をやろう、紫堂玲」



久遠が蹲ったままの、僕の顎を上げさせた。


いつか"約束の地(カナン)"で見た、黒い衣装に身を纏い、大きな死神の鎌を持って。


これは…"断罪の執行人"。



「オレに断罪されるか――


気狂いの母親の元に帰るか」



――レイ…。



「さあ…選べ」




『――…う?』



「お前の恋は――


終わったんだ」




『――…う?』



終わってない。


まだ僕は…!!!



真紅に塗れる身体は、罪の証。


そこまでして芹霞を手に入れようとしても…


蘇る真実の記憶に…芹霞は即座に僕から去ったのなら。



『櫂を愛してる!!!』



聞こえる芹霞の声に、耐えきれない僕の身体から真紅色が吹き出した。


罪。

罪。


僕は罪に穢れて、罪そのものになっていく。


僕は何?

僕の存在は…一体何?


――レイ…。


ざわざわとざわめきだす、僕の気狂いの血。



「さあ、選べ。


――…紫堂玲」




だから――



『――しょう?』



だから僕は――




『師匠!!!?』





反転。