あたしの初恋は久遠の筈で。

それははっきりと言い切れるのに。

それと同じ心の動きを、"本物じゃない"…"錯覚だ"と否定されたのなら、あたしは…。


ソレデモクオンニエイエンヲモトメタイノ?

マダクオンダケニエイエンヲモトメタイノ?



久遠に求めているのは…


――愛?

それとも…

――永遠性?


「せり……」


判らないよ。

難しい事なんて判らないよ。



本当の心って…何?



「せり…」


久遠が、あたしの顎を掴んで、くいと顔を上げさせた。


そして――。



「不細工な顔」


………。


「見るに堪えない…酷すぎる顔」


………。


「3kg増のリアルティアラ姫「そこまで言わなくたっていいでしょう!!!?」


思わず噛み付けば、


「まともな美意識はあるなら…おかしいのはただ趣向だけか…」


何やらぶつぶつと呟きながら、久遠は諦めたような大きな溜息をつくと、実に面倒臭そうに言った。



「せり…言ったろ?

これは"もしも"の話だ」


そしてまた溜息1つついて、身を屈めると、


「真に受けるなよ。

それにオレは…

せりが嫌いだって何度も言ってるだろ?」


指先であたしの涙を拭った。

言葉とは裏腹に、その指の動きはとても優しい。


「だから馬鹿だって言うんだよ、君は」


そして、あたしの瞳を覗き込んで、静かに続ける。



「君がオレに求めているのは…

――"代わり"だ」


まるで心を射貫くかのように、

その言葉は真っ直ぐあたしの心に響いた。