シンデレラに玻璃の星冠をⅡ



「クマをまだ疑っているの!!!?」


「だから…紫堂玲に確認したい」


「何で玲くんなの? あたしじゃ駄目なの!!?」


「せりは馬鹿だから」


………。


「言ってみないと判らないでしょう!!?」


「オレでも判らないことを、せりに答えられるか?」


………。


「あ、もしかして…USBメモリが判らないの!!?」


それなら…。


「それくらいオレだって知ってるよ。Universal Serial Bus。ケーブルを介さず機械に直接接続してデータの読み書きを行える補助記憶装置」


あ、そうなんだ…。

そんな正式名称だったんだ。


「オレを馬鹿にするな、せり」


………。


「あたしだってね、玲くんや由香ちゃんから色々教わって…」

「じゃあ、データの単位、KB(キロバイト)の約1000倍…1つ上の単位は?」

「え?」


何? 上の単位って何?

Kの次の英文字言えばいいのかな。


「え、LB(エロバイト)!!!」


「……せり。それはどんなバイトだ」


しまった、エロになってしまった。


「MB(メガバイト)だ!!! …聞くだけ無駄だとは思うけれど、MBの約1000倍の単位は?」

知るかっちゅ~の。


「GB(ギガバイト)。……せり。これは紫堂玲や由香に聞くまでもない、外界の一般常識だぞ? 判らないのは…如月煌ぐらいだ」


「ええ!!? あたし、エロワンコと同じレベル!!?」


「……。何でそこでショックを受けるのか判らないけれど。とりあえず、せりの一般常識よりもオレの知識の方が上だ。判ったな」


あたしは返事をする代わりに、ふさふさに顔を埋めた。