「もしかして疲れた? どこかで休もうか?」

「えっと…そうですね。喉が渇きました」

「じゃあ喫茶店に入ろうか」

お兄さんに手を引かれ、わたし達は喫茶店に入りました。

落ち着いた感じの、オシャレな喫茶店です。

「何飲む?」

「そうですねぇ。じゃあミルクティーを」

「僕はコーヒーにするかな?」

若いウエイトレスに、お兄さんが注文しますが…。

…どことなく、ウエイトレスの顔が赤く見えるのは、わたしの目がおかしいせいでしょうか?

「むぅ…」

「ん? 何か眉間にシワ寄っているよ」

そう言ってお兄さんはわたしの頬を優しく撫でてくれます。

「何か心配ごと?」

…ある意味そうですが、本当はくだらない嫉妬。

「…お兄さんがモテ過ぎるので、ヤキモチを焼いちゃいます」

「ぷっ…くっくっく」

しかしお兄さんはふき出し、声を抑えながら笑います。

「なっ何がおかしいんですか!」

「いっいや…。キミにヤキモチ焼かれると、嬉しくて…」