TIME WAR

柔らかい光に目を開ける階段をおりて向かったリビングには誰もいなかった


テーブルに置かれた朝ご飯。お母さん、今日から仕事だったんだ


温めた味噌汁をのみながらテレビを付ける。
テレビ画面には8時50分 と表示されていた

ブハッ!!味噌汁を吐き出した。タオルタオルっ
バタバタとテーブルを吹いて


準備をする。


はぁっ。つけていたテレビを消した
消す瞬間、ふと見たことがある人が移った気がした


時間が危ないと頭が警報を鳴らす。私は大して気にせず玄関に鍵を閉めて学校に向かった


補習授業の教室では点呼が始まっている


「チャコ……ちやこ、いないのか?」


先生は顔をしかめて動かした。バタバタと教室に入る


「いますっ!います来てます」

汗だくで、席に座った。もぉ……嫌いだよ暑い夏は


「まぁ、ギリギリセーフだなぁ」


今日の先生は話のわかる先生みたいで良かった。

窓際に座ってグラウンドを見る
あ……信平だ


全く気づかなかったが
校庭をもっとすぎたところを見ると2階準備室が見えた


「おーい、チャコさん黒板こっち」


「あ!すみませんっ」

黒板を先生の棒でペシペシとやっていた


今日は隣に座っていた渉君とパッと目があった渉君はクスクスと笑う


何よ……


「どんまい」


渉君は爽やかに言う
すね気味に私は黒板に向き直った。


「じゃあ、先生はつかれたからここまで君らも暑いと集中できないし」

先生は伸ばしていた棒を縮めて着ている白衣を正し


「ま、解散ありがとうございました」


と腰を曲げてそそくさと出て行った


隣に座っていた渉君は腰をズリ下げて椅子に座っていた


「みんな、帰ったね」


「あ……確かに」


渉君はスっと顔を下げて押し黙る。私は静かにしていた


チラリと持ってきた古い時計を見た。


「俺さぁ……」


この前言い掛けていた事かな?俯いている渉君に椅子事体をむける


「兄ちゃんが事故で意識不明なんだ」


え……。
意識不明だったのはお兄ちゃんだったんだ


どうして?何て聞いて良いんだろうか

「渉君はお兄ちゃんすきなの?」


少し驚いたような顔をして私を見た。それから少し泣きそうな、笑いそうな切ない顔をして


「好きだよ」

といった。

空いている窓が冷たい風を運ぶ。