……はやく。


はやく会いたい。



もっと、近くで…見つめたい。






そんなことしか、あたしは考えてなかった。


だからだったんだよね…。


不注意だった。




教室から飛び出して、差し掛かるは階段。



…急がなきゃ、会えなくなっちゃう。


そう思ったあたしは急な階段にも関わらず、かけ降りた。




「…でねー?その子がー…」

「えー!?まぢー?…」



…――ドンッ!



「あ…ごめんなさーい!」


登ってくる、女の子に…ぶつかった。


グラッ…と、体が傾く。






え!?嘘っ!!












あたしは、そのまま…階段から落ちた。



あぁ…観念しなきゃ。


覚悟して、ぎゅっ!と目を瞑る。






遠くで……ぶつかった女の子の悲鳴が聞こえた。