若菜は後ろを向いて僕に『べーっ!!』って舌を出してきた。


可愛いなぁ。


でも....


「若菜!!前見て!!」


じゃないと確実に崖から落ちちゃうから!!


全く僕の言うことを聞かずに僕を見続ける若菜。


僕を見続けるなんて可愛いけどさぁ〜。

しょうがない。捕まえよう。


そう思って走り出す僕。


そう言えば夏樹先輩が言ってた崖ってどの辺にあるんだろう?


「っ!!?」


若菜の前には開けた場所が....


すぐそこじゃん!!


「若菜!!止まって!!」


僕は必死で叫ぶ。


あとちょっと。

あとほんの少しで若菜の手を掴めるのに。


「や〜だ!!ひなっ.....!!?」


「若菜!!」