Side日向


「しっ死んじゃうから!!」


僕に見つめられるのが恥ずかしくなった若菜は思いっきり僕をどついた。


死んじゃうって....。

可愛いな、もう。


「フフ♪これだけで死んじゃうの?かーわい♪」


そう言って少し意地悪く若菜に笑ってみる。

いつもなら凄い勢いで睨んでくるはずなのに顔を真っ赤にするだけの若菜。


本当、可愛い。

最近、さらに可愛くなった。

死にそうなのは僕の方かも。


「アホ日向!!」


急にそう叫んで走り出す若菜。


若菜って本当予測不可能だよね。

って....


「ちょっと待って!!そっちはっ!!」


そっちは夏樹先輩が崖があるから行くなって言ってたほうだし!!


若菜は僕の呼ぶ声を無視して崖の方へ走る。


あの様子だと夏樹先輩の話聞いてなかったんだろうなぁ。