「っ!!」


全く状況がつかめない。


下を見れば底が全く見えない深い青。

上を見ればほのかな月明かり。


くっ苦しい!!


そう、ここは水の中。


グイッ


私の手を日向が引っ張る。

日向が私を見て上を指差す。


私は必死で頷く。

そんな私を見てニコッと笑うと一気に泳ぎ出す日向。

日向に腕を引かれて私も足をばたつかせる。


「ぷはっ!!」


空気だぁ〜!!


やっと水から顔を出せた私たち。


「ハァー、若菜!!陸まで泳ぐよ!!こっち!!」


日向はそう言って私の手を離し泳ぎ始める。


「まっ!!待って!!」


私は必死で日向を追いかけた。