Side 日向
柊財閥の空と翼。
先生の任されていた仕事は僕の足止め。
その間に一人になっている若菜を誘拐するためだ。
理由は若菜が気にくわないからだろう。
「アンタ詳しすぎでしょ。」
ここはタクシーの中。
今、柊邸に向かっている。
柊邸は山の中なんだとか....。
「当然。」
当然って....。
僕の横でにっこり笑う麻野 涼。
嘘くさい笑顔。
今、コイツにだいたいの事情と柊について教えてもらった。
まーでもコイツ、僕と若菜の関係に気づいたくらいだから当然って言っちゃぁ当然なのかもしれないな。
このくらいの情報を握ってるのは。
「柊 翼は多分大丈夫だけど、空の方がヤバい。」
少し表情が暗くなる麻野 涼。
「確かにヤバそうな感じがする。」



