月虹 Just the way you are



結局は車のすぐそばまでお姫様抱っこのまま連れていかれ、恥ずかしさ全開で覚悟を決めたとき


「や、やだ!先輩!せんぱ、い!」


車の中から悲鳴が聞こえた


紛れもなく、朱莉のものだ


あれは、あたしたちが乗ってきた車だし、朱莉は耀太が連れていってくれた

どうして、悲鳴が


考える間もなく、あたしは爽の首に回していた手を解き、爽の腕の中から飛び降りた


左足に力をかけて着地し、車の方へと駆け寄る


フルスモークの窓からは車内は見えない


急いでドアを開けようと持ち手に手をかけたが、こんな敵陣の近くでロックをしていないはずがなかった



ガチャガチャと虚しく響くその音に、いらだちを感じる


すると、誰かがあたしに気づいたのだろう


内側からドアを開けてくれた