「な、」
焦りと落ちそうになった少しの恐怖、そして安心しきっていたせいかいつもの何倍もの驚き
それらが一気に溢れだしたとあたしの心の中は、落ち着きなくせわしなく暴れていた
「何しようとしたの?」
一瞬にして落ち着きを取り戻し、いつもより良く動いている鼓動を無視し、爽へ睨みつけるような視線を送る………と
現況であるはずの爽はニヤニヤと意地の悪い笑みを浮かべてあたしを見ていた
「何?何したの?」
あたしは爽に落とされそうになったが、その前とその後とで何ら変わったことはない
強いて言うならあたしが手を爽の首の後ろへと回りこませたせいで、お姫様抱っこに更に磨き?がかかってしまい、はずかしさがアップしただけだ
更に乙女チックに変化してしまったその格好から、元に戻そうと手を離そうとする
しかし、だ
爽がどんな意図であたしを落とそうとしたのかがわからない以上
また落とすふりをされかねない
それに、本当に落とされるかもしれない
そう考えると、あたしは手を離すに離せなかったのだった

