…突然ギュッと手首を握られて、
「…ハァ
それ以上こすんな。
赤くなんぞ?」
「…玲音、ゴメンなさい!」
「…ちょっと来い。」
握られたままの手首を引っ張られて、
引かれるがまま玲音の後を着いていく、あたし。
「…ヒューヒュー!
玲音やるねぇ〜」
「…よっ!男前。」
「…先ファミレス行ってんぞ〜」
「…リア充は戻って来なくていいぞ!
爆発しろ〜」
…さっきまで静まり返って緊迫したあたし達二人を見ていたのに、
玲音の纏う雰囲気が柔らかくなった途端に冷やかしてくる…
…さっきのナンパ男二人と、玲音の仲間らしき人たち。
冷やかしを背中に受けながら逃げるように早足で歩く。
玲音も恥ずかしいのかな、なんて思うと口元がほころぶ。

