薬師 ―君の傷―







くぐる時、あたしは違和感を感じた。


ぐにゃりとした何かを通り抜けたような……。


一瞬、まわりの音も聞こえなくなったような気がするが、そんなことは気にも止めなかった。


あたしを突き動かすのは好奇心。






「よっこらせっと」


おばさんくさい台詞とともにあたしは勢いよく地面に着地した。




「ん?あれ?」


そこに広がっていたのは見たこともない世界。


いや、多分地球だし、町並みも昭和っぽい。



だけどおかしいんだ。





あってはいけないものがあるんだ。



あたしはそれに気付いてはじめて“しまった”と思った。