「気付かれちゃったね」

「…あなたが大きな声出すからですよ」

「春ちゃ~ん…ごめんねえ~」

言い合っている二人に構わず、ゆきは泣きながら小春に抱きついた。

「わっ何よ。汚いから鼻水付けないでよ」

ひどいもんだ。

「だって私春ちゃんにひどいこといっちゃった。」

顔を上げながらゆきは言った。

「…それはお互い様でしょ。」

「ありがとう。春ちゃん」

「良かったね、ゆき。頑張ったじゃん」

「いや~本当に良かったな。お前もやっと報われたな元崎。」

元崎の肩をたたきながら圭が言った。

「何だよ。お前いつから見てたんだ」

「けっこう前から」

ニヤニヤしながら圭は言った。

「えっ!」

元崎とゆき二人同時に声をあげた

けっこう前っていつ?

「さあ。祝杯でもあげに行く?」

「いいですね。私お腹すいちゃった」

小春も賛同した。